優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

おさまる事のない女の泣き声に大雅の大きな溜め息が聞こえる。





「前は…できたッ……のにどうして?」





泣きながら必死に話す女の声は………リカ?


リカなの?






「脅しなんかかけてこなきゃ抱くくらいしてやったのに。悪いな。俺、案外ナイーブなんだわ」





………………脅し?



なんの脅し?






「初めてッ…ヒク…本気で…好きになったのに……」


「お前ならすぐにいい男を見つけられる。服着ろ。送っていってやるから」