優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

「雪穂、俺飲み物買ってくるわ。カナちゃん何がいい?」




椅子から立ち上がった大雅がカナに向かって言ってる。



でも、リカに聞かないのはどうして?


好きな飲み物を知ってるとか?



そんな嫌な事ばかり考えてしまうあたしはほんと醜いよね。





「あたしは何でも」


「了解。じゃ、行ってくる」





大雅は病室を出て行って、リカは大雅について行ってしまった。



またズキンと胸が痛む。


ほんと、あたしって弱虫だな…。