優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

病室までずっとついて来てくれたアヤさん。





「アヤさん、ありがとうございます」


「顔色もよくなったわね。大雅に入院に必要なものを持って来させないとね」


「大丈夫です。明日友だちにでも持って来てもらいますから」


「大雅に会うの嫌?なら、あたしが適当に買ってくるけど」





会いたいけど…会いたくない…。



会いたくないこともないけど…辛い…。






「ほんとに大丈夫です。ふたりには迷惑かけられないから」


「どうしてよ?雪穂ちゃんはあたしを泊めてくれたのに。それに倒れたのだって大雅のせいでしょ?」