その後に早瀬さんは座席の後ろに隠していたケーキを取り出した。


「ジャーン!!これだけじゃないんだぜ(笑)」


そう言って、楽しそうに花火とシャンパンを取り出した。


「すごーい!!」


ひたすら、感激しまくっていた。


早瀬さんが車のルーフを開けて、シャンパンのコルクを空に向けて抜いた。


2人きりで大はしゃぎしていた。
さっきのケーキを車のボンネットに乗せて花火を刺した。

キラキラ燃える花火を見ながら、シャンパンを片手に何度もキスをした。


「今、俺に出来る事…こんな事しかないんだ。」


涙が溢れて来た。
言葉が見つけられずただ、黙って首を振り続けながら、早瀬さんに抱きついていた。


「もう…誰の所にも行かないで…」


そう言って優しく抱きしめてくれた。


ケーキの花火が消えた後もずっと2人でいた。


私は重い口を開いた。


「早瀬さん…実は私…こんな事してもらえる資格なんて無いんです。」

泣きじゃくりながら話しを進めた。


「私…来年の2月に…」



「結婚するんです」



・・・・!?・・・・

「綾…!?何…言ってんのか…俺分からないよ」


ケーキの花火が燃えつきて寂しく残骸だけが残ってた。