春陽が保育園で熱を出してしまい、仕事を早退して春陽と一緒に家に帰ると


「悟史さん?」


寝ていたようすの悟史さんが、慌てて起き上がった。


「あれ?どうしたの?」


「春陽が熱出して…それより、仕事は?今日休みなの?」


「…」


「どうしたの?」


「ごめん!!綾!!」


嫌な予感…


「まあ、いいや…春陽を病院に連れて行って来るね」


保険証やお金をしまってある引き出しを開け保険証を取り出した。


「ん!?」


「ねぇ…この封筒に入ってたお金…どうした?」


「…」


「悟史さん?」


「使った…」


「え!?家賃と光熱費のお金なのに…
なんで!?」


「…」


「悟史さん!」


「本当にごめん!!
実は…パチンコやって全然出なくて、ヤバいと思って取り返そうとしてるうちに…全部使っちゃったんだ…」


「…」


春陽がぐずり始めた

「とりあえず、病院行ってくる」


車を走らせながら、考えた。


考えたけど、答えは見つからなかった