あれから、お家についた
あたしと大ちゃんは
自室にそれぞれ入った。

制服から私服に着替えて、
あたしは大ちゃんの部屋の扉を
軽くノックをした。

トントン

「りおなー?」

「うんっ、
 りおなだよっ」

「ほ~い」

“ほ~い”っていうのは、
ちょっぴり笑っちゃうけど
“部屋に入っていいよ”
の大ちゃんらしい合図。

ガチャ

「だ~いちゃんっ」

ドアを開けて真っ先に
大ちゃんに飛びつくあたし。

「うおっ!!」

当然のことだけど、
あたしに驚く大ちゃん。

「ぎゅううう~っ」

そう声に出しながら
大ちゃんに抱きつく。

「りおな~っ」

そして、あたしに応えるように
あたしを抱きしめ返す大ちゃん。

みんなには言えないけど、
これはあたしと大ちゃんの
昔からのお互いの日課。

大ちゃんと抱きしめあってると
あったかくて、いいにおいで、
すっごく落ち着く。