今私を抱きとめた人は兄さんそっくりだ。 しかし、髪と目は紫で、私の記憶の兄とは違う。 ただ、まとう雰囲気がそっくりなのだ。 大好きな、兄に。 「・・・裕輔、兄さん・・・!?」 「・・・はい?何言ってんだ?」 「・・・?」 「俺はユウ。死神だ」 「・・・死神!?」 「あぁ」 ユウは静かに笑った。 兄さんじゃないのかな・・・。 けど、兄さんに似ている。 なんだか、傍にいると死にたいって気持ちが薄らぐ。