RED×HEAVEN

俺は惨めに浜辺をのたうち回った。



口からは涎なのか血なのかわからないが、何かの粘液が溢れている。



ルナももがき苦しんだに違いない。



その苦しみを理解してやる事は出来ないけれど、今俺が感じている苦痛がそれに少しでも近付いていてほしいと思う。



「あ…りが…と」



俺は何とか女にそう告げる事が出来た。



彼女にとって、これが一番の痛めつけ方だったに違いないと思ったから。