どうしても、小山主将をこのままに出来なかった。


西條先輩が言うように、小山主将が本当に優しい人で、悩んでいるとしたら、冷たく突き放す事など出来ない。


「私がいないと思って話してみませんか。」


「千比絽は俺が怖くないのか。さっきは震えていたぞ。」


怖いですよ。


「勿論怖いですよ。小山主将が何を苦しんでるのか知りたいです。私が力になれることがあればと思います。」



今、小山主将笑ったよね。



「西條が千比絽に惹かれた気持ちがなんとなく分かった。千比絽には泣き顔も見られた事だし、俺の苛々の原因を話してみるかな。」


あれ、なんで、ドキドキしてるんだ。


男子に免疫がないから、無理もないと思う事にした。


「俺はいつも弘也に嫉妬してる。何をしても弘也には勝てない。」


西條先輩は小山主将の気持ちに気付いているのだろうか。


気づいていないかも知れない。


だから、私がここで小山主将の気持ちを聞くべきだと考えた。