毎日イライラは募るばかりで、それでも部活はサボらずに頑張り、体力をつける為にランニングと、筋トレも欠かさなかった。


毎日頑張ってる私に陸斗は必ず嫌みを言う。


「千比絽がいくら頑張っても野球はやれないんだ。俺が親父の意志を継ぐから、千比絽は女の子らしい事をしろよ。」


この時はまだ、父の病気を知らなかった。


父は肩を痛めボールが投げられなくなり、引退したと聞かされていたから。


どうして、私にだけ真実を教えてくれなかったの。


今思えば、この頃から母親の様子もおかしかったし。


父さんが入退院を繰り返していたというのに、私は自分の事ばかりで、全く父親の病気に気付けなかった。


私の回りで何が起きてるのか、分かろうともしなかったのだ。


家族に甘えて、我儘ばかり言っていたと思う。


父さん、ごめんね。


もっと、野球の話したかったな。


父さんに私の野球を認めてもらいたかった。


父さん、何で死んじゃったの。