西條先輩の体力がもつか分からない。


かなりの疲労で顔色も悪い。


佐川監督も気付いてるはずた。


「おまえ具合悪いのか。真っ青だ。ピッチャー交代だ、小山投げられるか。」


「なんとか大丈夫だと思います。」


西條先輩が監督に近づいた。


「庄一は右手が痺れているんです。俺が最後まで投げきりますから、監督お願いします。」


佐川監督が駄目だと首をふる。


「おまえだけに無理はさせられない。勝負をかけて、陸斗に投げさてみるか。」


陸斗は無理だ、私が男子なら投げれるのに、悔しいよ。


陸斗は押しに弱いくて、大事な時に、決断力にかける。


どうすればいいのだろ。


「監督、大丈夫ですから、最後まで投げさせて下さい。みんなと甲子園へ行きたいんです。それが俺の夢ですから。今のみんなとなら、負ける気はしません。」



佐川監督は渋々頷く。


「分かった。西條、おまえを信じる。」


私はもう何も言えなかった。


言ってはいけないと感じたのだ。


命をかけて戦おうとする西條先輩を、もう、止める事は出来なかった。