家に帰ってメールチェックをしていた俺の手中に入った、オサからの着信。
「もしもし?」
「おう、アズマ! バイトの方はどうなった?」
「うん、決めてきたよ。潰れそうな古本屋だけど」
「マジで? ホントに潰れたりしてっ」
なんていう会話から、そのうちオサの恋バナへ……って展開はいつものこと。
「それがさ、話してみたらマジで可愛い~んだって!」
今度は2組でテニス部の、真中 愛莉(まなか・あいり)という娘に夢中になっている親友。
「オサ、バスケ部のマネージャーはもういいの?」
「アサミ先輩?
あれはダメ。成沢さんとデキてるらしいから」
「あー、やっぱり?」
「やっぱりってなんで?」
「いや、別にー」
まっ そのうち話してやるよ。



