初恋の向こう側



夜飯は、キャビンのテラスでバーベキュー。

盛り上がってる輪の中で俺は、ヒロと逢坂さんの顔を交互に盗み見た。

ヒロの気持ちはわかんないけど、奴自身は言ってたよな……多少なりとも好意を持ってることをさ。

なのに何でだよ?

さっきの俺とのやり取りなんてなかったかのようにしてる。

オサ達のバカ話に笑いながら、焼けた肉を取り分けたりして。

ハタチを越えたってだけで、そんな余裕がでるものなのか?


「ねぇ、キャンプファイヤーとかしたくない?」


とんでもないことを言いだしたのは、やっぱりヒロ。


「キャンプファイヤーって……」


誰もがツッコんだのに何故か

「何か文句あんのオサム?」

ってオサだけ睨まれた。


「いや、でもさ。キャンプファイヤーって無茶でしょ? 俺等五人しかいないし、なにより危ないし」