「よっ、みう元気ねぇな?」

教室に入ってすぐ、良樹に話し掛けられた。

「そう?いつも通りだけど?」

「ならいんだけどさ~」

良樹はそう言って、自分の席に座った。
あ、もう鐘鳴るんだ…。
私は、急いで席についた。

「ねぇ、みう何かあったの?」

隣の席に座ってる真希子が心配そうに私を見ている。

「…何にもない…」

「そう?なんかあったらいつでも言って。あたし達、相談に乗るから」

「うん、ありがと」


くだらないホームルーム。
同じように進む時間。
決まった時間になるチャイム。
何もかもいつもと一緒。
なのに…
私は、いつもと違う…。
よくわかんないモヤモヤが、ずっと残ってる。
元凶は知ってるけど、原因は知らない…。
何だか…嫌な気分。
視界まで揺らいできた…。

     ドサッ!


「え?ちょっとみうっ!!!!?」