「じゃ、みう帰るぞ」

…どうやら、悪夢じゃないみたい。
ホームルームが終わった途端に私の目の前に現れるこいつ!
一体何考えてんだかっ!

「いいっ!一人で帰るっ!」

私は、スクバを片手に教室を出た。

「相変わらず、逃げ足はぇーな」


       ☆


「淳司ぃっ!」

私の部屋で呑気に茶をすする幼なじみに向かって一喝中。

「まぁ、落ち着けって。これやるから」

あ、チョコレート…

「ありがとー」

呑気に貰ったチョコレートを食べる私。

「…って、違うっ!」

「どうせ、昼休みのあれだろ?」

わかってるなら、答えて貰おうじゃんっ!

「ま、あれはノリで言っただけだし。あ、本気にしちゃった?」

カッチーン!
だから、こいつだけは嫌なのっ!

「でも、あながち嘘じゃないかもなぁー」

え?
今、何て言った?

「みう、嫁にいけねぇし?」

再びカッチーン!
しかも、真顔で言ってるし!
こんなやつ、こっちから願い下げだもんっ!!