脱力感が、私を襲う。
遅かったのだと気付いた。
無駄なんだって気付いた。
淳司が笑ってる。
知らない女の子の隣で。

「そっか……」

淳司にとって、私はやっぱり。
ただ、遊ぶためにいたんだ。
私が嫌いだから…。
なのに好きになっちゃった私…
ううん…
きっと、昔から好きだったんだ…。
なのに自分の気持ちに気付くの、嫌だったんだ…。
今気付いたって、ホントにおそいのにね…。

「私って、馬鹿だなぁ…」

「確かに馬鹿だ」

「えっ…?」

私の体はいきなり引っ張られた。
そして、キスされた。
愛おしむように私を見る淳司に。
優しいキスをされた。

「つか俺じゃない奴見て落ち込むとかまじねぇし」

さっきのキスが嘘のように不機嫌な淳司。
って…あれ、淳司じゃなかったのっ?!
私の勘違いっ?!!!

「それから」

「な、何…?」

「やっぱ。俺、お前嫌いだから」

ん?…え?

「さっきキス、したよね?」

「したけど?」

「じゃあ、何で嫌いなの?」

「嫌いだから」

意味不っ!
なんなのこいつっ!
腹立つっ!
腹立つから言ってやるっ!!

「私は好きだからっ!」

そう私が言ったとき、淳司はにっこりと笑った。
え………?
…も、もしかして…

「は、図ったなっ!!!」

「さあ?」

うーっ!!!
やっぱり、こいつ最低っ!