それでも悠を放さない奴らに殴りかかった。
10人ほどを30秒ほどで倒した。
周りを見れば、みんな完全に伸びてる。
あたしは吃驚してる悠に近づいて、ハンカチを取り出した。
「悠。大丈夫?」
「…莢。凄いじゃんっ!!!
莢ってあの舞蝶だったんだっ!!」
悠はボロボロになりながらキラキラした目を向けた。
あたしはそんな悠に抱きついた。
悠はいきなりの事で焦ってる。
「悠、ありがとね。嬉しかった。
それとゴメン。
あたしのせいでこんな風になっちゃって」
悠は、あたしの頭に手を置いて微笑んだ。
「言ったろ? 莢は特別って?」
そんな悠を見て、顔が緩んだような気がした。
悠もそれに気づいたらしく、一緒に喜んでくれた。
「悠、みんなは? まだ来てないの?」
悠は一瞬吃驚した顔をしたけどブハッと笑った。

