舞蝶.・。*



俺はソファーに呆然と腰掛けてる
俺の中で、莢の顔と言葉が繰り返される

莢・・・。
――――――ガチャ
帰ってきたか?
「莢。あのな・・・」
振り返ると、みんなが立っていた
「…どうかしたの?莢泣いてたけど…」
「何処に行った?」
みんなが外を指さす
「何で捕まえなかったんだよっ!!!!
あいつ体弱いんだぞ?下手したらっ…」

ヤバイ・・・。
俺は窓の外を見た。
雷も鳴ってる。
俺はとっさに走り出した。

「莢っ!!!どこにいるっ!!!!」

俺は走りながら叫んだ・・・
携帯を取り出して電話する
・・・とらない

俺はずっと携帯をならし続けた

とってくれ。
電話をとってくれ。
―――――リングリン♪
莢の携帯の音だ!!!
俺はそれを頼りに走る。

「莢っ!!!!」
莢がブランコの下に倒れてる。
俺は駆け寄った。
莢に触れると…冷たい。
俺は莢を抱えて寮に走った

とっても冷たい。