舞蝶.・。*


莢の体は血まみれだ。
莢は大きな目を細くして「・ひ・・・な…」と言って目を閉じた

俺は莢を抱きかかえて病院まで全力で走った
【緊急病棟】と書かれてる所に走っていく

「すみませんっ!!大至急手術をっ!!!」
受付の人は内線で連絡をすると、すぐにタンカを持った医者達が莢を連れて行った

俺は、莢の傍に行って呼び続けたが。
全く反応しなかった。

莢は手術室に運ばれて行った。



しばらく経ってから俺はゆっくりと携帯を取り出した。
『莢は見つかったかっ!!!』
「………ああ。手術室まで来てくれ…」
『………マジか…よ』
悠はそれだけ言って切った

『見つかったかっ?』
「……ああ。…手術室まで…来てくれ」
『・・・』
猛は無言で切った

電話をするのが辛くなってくる。
“手術室”と言うのがどれだけ恐ろしい事かを意味してる。

「日向っ!!!!」
悠と猛が走ってきた。
「どう言うことだ?」
俺は事情を説明した。
「誰だよっ!!!」
「そいつ。ゼッテェゆるさねぇ」

俺は勇樹の所に向かった
「日向さんっ!!!見つかりましたか?」
「…ああ」

俺の格好を見て、驚いた

「・・・何処にいるんですかっ?」
「……手術室だ」
勇樹は目を曇らせた