舞蝶.・。*


――――――日向SAID――――――

莢がいきなり変な事を言い出した。

「…あたしが……勇樹を庇ってれば良かったんだ…」

そんな事あるわけねぇだろ。
でも。
その言葉は俺達の心に刺さった。

俺達がもっと早く着いてたら。
莢がいるから大丈夫だろ。って心の何処かで思ってしまってたんだ。

多分。みんなも同じ考えをしてると思う。

「ゴメン。勇樹・・・」
莢の言葉が頭の中で繰り返される。

本当に。ゴメン。

俺も心の中で謝った

莢は、病室を出て行った。

「日向さん達。莢。勘違いしてません?
今の莢なら、何するかも分かりませんよ?」

勇樹は真面目な顔で言ってきた。

勘違い・・・

俺達はとっさに走り出した。
病院内を探すのが悠と大和。
外を探すのが俺ら。
別れて探しだした。