あたしは、頭を思いっきり横に振った

「にしても…ここの主人公?」

男の人は不思議そうにあたしに訪ねてくる
あたしは黙って頷いた

男の子はあたしに向かって手を伸ばしてくる

「どうしたの?
ねぇ。ちょっと構ってくれる?」
男の人はあたしに聞いてきた。
あたしは「うん」と男の子に手を伸ばした
男の子はあたしの手を握ってから笑った

男はあたしの傍に座った
「ねぇ。名前なんてゆーの?」
「中村莢・・・」
「莢。なんで泣いてんの?」
そう言って、あたしの頬を流れてる涙を拭った
あたしは「ただ。あたしの小さい頃どうだったんだろ・・・って思って」と答えた

男はクスリと笑って「なんだよそれ」と言って笑った
よく見ると、この人カッコイイ。
切れ長の目に。スッと通る鼻。

「俺は山根 琢磨(やまね たくま)
中3。もうすぐで高1だな・・・」

中3なんだ・・・。

「莢は?何年?」
「あたし・・・高2年」
「えっ!!!高2なのか?」
あたしは軽く微笑んだ
琢磨は顔を真っ赤にして、笑った

「ゴメン。ついタメで・・・」
「ううん。敬語は苦手だから…」
「変な奴・・・」

「ってか!!!
琢磨とこの子超似てるんですけど・・・」