舞蝶.・。*





―――ガチャ


「ヒロ兄?」

「莢…」

ヒロ兄は吃驚したような顔をしてあたしを見た。

そして微笑んでから「おいで」といった。



ヒロ兄の前まで行くと抱きしめられた。


「莢。ずいぶん綺麗になっちゃったな」

あたしから放れ、頭を撫でてきた。


「ヒロ兄こそ。
いつまでたってもカッコいいじゃん」

あたしが言うと、ヒロ兄はちょっと照れた。


…可愛いな。

「莢。まだ直んねぇのか?」


コクリと頷く。

ヒロ兄が聞いてきたのはあたしの“感情が無い”事。


「でも。作り笑いならできるよ?」


作り笑いをして見せた。