そして、お辞儀をして出口に向かった

みんなっ!!!
あたしの目の前には演奏を聴いてたらしいみんなが立っていた

「莢・・・。凄いじゃん!!!」
「とっても素敵な音色だったよ・・・」
「うん。聞き惚れたでぇ!!」
「本当。素晴らしかった」


―――――ドクッ・・・

あたしは、すぐに日向の後ろに隠れた

みんなは吃驚してる
日向は気づいたみたい
相手は気づいてない

日向はあたしを隠してくれた
あたしの耳には聞こえた・・・

「あたしねぇ~。子供がいるんだけどぉ。相手すんの面倒臭いのぉ。顔も見たくないってゆーかぁ。同じ空気を吸ってるのもぉ。嫌で仕方ないのぉ」

「ははっ。本当に子供の事嫌いなんだな」

「うん。だってウザいじゃん?」

あたしの目からは大量の涙が溢れてた・・・
日向はあたしの手を強く握ってくれた。

みんなはまだ分からないらしい。

あの女が行くと、日向はあたしを抱きしめてくれた
みんなはあたしが泣いてるのを見て焦ってる。