「あたし。
バイオリンなら、得意中の得意ですから。
それに、どうせその人は来れないんでしょ?
だったら、誰が弾くんです?
代わりの人あたししかいませんよね?」

あたしは鼻で笑った・・・
おじさんは悔しそうな顔をして、あたしを楽屋に連れて行った

「これに着替えて。バーに来い。ちゃんと弾けよ?」

「当たり前です」
あたしが答えると、おじさんは出て行った


――――――バーにて・・・

あたしがお辞儀すると、拍手が沸き起こった
あたしはバイオリンを肩に添えて弾きだした

みんなは聞き惚れてる・・・
まぁ。当たり前。
あたしアメリカの大統領の前でも弾いたんだから。

おじさんも吃驚してる
弾き終えると、例の偉い人が「ピアノも弾けるのかね?」と聞いてきた。

あたしは微笑んで「もちろんです」と答え、ピアノのイスに座る
そして、プロの中でもレベルが高いのを弾きだした・・・

またみんな聞き惚れてる。
おじさんはまたも吃驚してる。

あたしが弾いてるとお客が集まってきた

弾き終わってお辞儀をすると例の偉い人が握手してきた
「君。プロにならないかい?
お金もドッサリ入ってくるぞ?」

「いいえ。大丈夫です。
お金なら死ぬほど持ってますんで」

あたしが断ると例の男は「残念だ」といいながら微笑んでくれた