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朦朧とした意識の中
ゆっくりと身体がベッドに沈められる。


ここはどこ?

寝室?


体中がとにかく熱くてたまらなくて
荒い呼吸を幾度となく繰り返す。


汗をかいたせいで
背中に服が張り付いて気持ち悪い。

喉がカラカラに渇いて
焼けるように痛い。


「アキ?
……アキ!?」


微かに私を呼ぶ声が聞こえる。


このしっとりとした低い声は
誰の物だった?


よくわからないけど
何故かとても心地よい……。


その時ふと
額に冷たい指が触れて
身体がピクリと反応する。


「熱が高いな。
病院よってくりゃよかった。

アキまた移動で悪いけど
やっぱこれから病院行くから」


その言葉に
意識が反応を示す。


今なんて?

……病院?


病院って

……病院は嫌だ。


行きたくない。