僕、村山 亮(むらやま りょう)は、

普通よりちょっとモテる、高校2年生です。

今、例の件で、学校の廊下を走って走って

逃げまくっている途中であります。

え?

例の件って言ったら、ほら。

ストーカー事件ですよ。

この間、女子の告白をやんわり断ったのが

駄目だったらしく・・・

とにかく全速力です。

「まってぇぇぇぇぇぇ!!」

「待ちません!!」

その女は僕の声に反応した。

「萌えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「オエェェェェェェェェェェェェェ!!!」

階段だ!!やった、撒けるぞ!!

だんだんだん、と、勢い良く階段を踏んで、

下へ向かった。1階へ。

右だ!確か家庭科室があったから・・・

扉を思いっきり開けた。

「あ・・・」

女子生徒が1人、裁縫をしていた。

「かくまってください!!」

彼女はこっちを見ずに答えた。

「いいよ。この下に隠れな。」

え、机の下・・・・・?

「でも、いいんですか・・・  だってスカート・・・」

「いいから。誰か来るんじゃないの?」

はっ、そうだった。

「りょ~~うく~~ん!どこぉぉぉ?」

僕は彼女の座っていた、1番前の左端の机へ急いだ。

「お邪魔します!!」