「お兄ちゃん、あたし行くとこなくなっちゃたよ」 「そうかな」 「そうだよ」 しんとした夜に、お兄ちゃんとあたしの声と、僅かにブランコのきしむ音が響いた。 「もうひとつ、あるよ。リョウ、気付いてるでしょ」