「やっぱりアプローチした方がいいって。」 「でもー。」 「メアドだけでも聞きなよ。」 「んー…」 加奈子は曖昧に返事をした。 百合は疑わしそうに席に戻った。 その日の帰り、 加奈子は皆より少し遅れて帰っていた。 加奈子は安田優太がいるグランドに 目を向けた。 加奈子は目が悪いので安田優太を 見ることはできないが なぜか顔がにやけていた。 「あ!井上さん。今から帰るの?」 突然、グランドにいると思っていた 安田優太の声がした。