「ご、ごめ…ごめんなさい」

あたしはぼろぼろ流れる涙の合間から
あいつに謝る

あいつが羽織っている上着を脱いで
あたしにかけてくれると
ぎゅうっと抱きしめてくれた

「ごめんなさい…ごめんなさい
赤ちゃんが…ごめんなさい」

あたしはあいつの腕にぎゅうっとしがみつくと
何度も何度も謝った

「いいから…果恋が無事なら
それでいいから」

あいつが何度も
あたしの背中を撫でて、優しく囁いた

「ごめんなさいっ
赤ちゃんが…赤ちゃんが…」

「いいんだ、いいから
とりあえず家に帰ろう」

あたしを横抱きで抱きあげたあいつが
ゆっくりと歩き出す

「歩けるから…大丈夫だから」

「駄目だ
こんな傷だらけの身体で…」

あたしはあんたの子を守れなかったんだ

優しくしないでくれ

抱き締めないでくれよ

心が痛いんだ