とにかく、あたしは翔としゃべらないことにした。 なんとか理科の時間をやり過ごし、教室へ戻ろうとしたとき、 「あら、黒板消すのは誰?」 理科の担当、深井先生がそう言った。 「あ、じゃああたしやります!」 そう言って、黒板消しを手に取ったとき、 「じゃあ、俺も」 ・・・翔・・・? 「麻衣?どうしたの?」 「へ?何が?」 ・・ってなにしゃべっちゃってるの!? あわててうつむくあたし。 翔はそれ以上あたしに話しかけなかった。