学校につくと、門あたりがざわついていた。


―なんだ?抜き打ち服装検査か?


ひょい、と騒ぎの中心を見ると…。

「んげっ…!」

エドが立っていた。


…つまり。
世にも美しい男がいるので、男女ともに騒いでいた、というわけ。

触らぬ神に祟りなし。

見つからないうちに、さっさと逃げよう…と思っていたら。

「大和!!」


真っ黒のサングラスをとり、サァッと満面の笑みを浮かべ、手をふってくる非日常ヤロウ。

ちっ。

と、舌打ちしたくなる気持ちも分かってほしい。

集中する視線。
好奇の目、不信の目、疑問の目…、色んな視線を振りかぶりながら、ほっといてほしい、と切に願う。

爽やかに近寄ってくる男に、ため息を覚える。

「ああ、また…。太陽浴びてんじゃねーよ…。」

しょうがねぇなぁ、と苦笑をしながら、ポロリと出た一言。

「………大和…、儂、太陽がダメだと言ったことあったか?」

じっと、強い視線で問うてくるエドに、しまった…と思う。

固まったように、微動だにしないエド。

その視線が物語るものは、記憶の有無で。

「…ライに聞いたんだよ。なんでだ?」

「………いや、そうか…そうだな…」

ガックリした、寂しそうな笑顔は胸を抉るけれど。







―もう…嫌だから。