悲劇は、ある日突然、沸き起こった。





ありあが、血だらけ傷だらけで駆け込んできた。

「エド!!逃げて!」

「ありあ?これは…っ?」

「一連の失踪事件の容疑者に私と貴方…、疑われているのっ」

「なっ!!」

「今、役人がこっちに向かってる。早く、逃げて!!」

血の気が引く。
裁かれる恐怖からでもなく、したことの後悔でもない。

自分がしたことで、ありあにこんな傷を負わせたことに対する怒り。

「……ありあ。儂は逃げんよ。」