隣室に入ると、大和が美味しそうにケーキを食べていた。

口いっぱいに頬張り、とても至福そうだ。

「旨いか?大和。」

「あえ?ちひゃとは?」

口いっぱいのせいで、舌足らずな言葉。

―うっ…かわいい…

なんて、思ってしまい自分は阿呆になったのではないか、と思う。

「あ…ああ、稚早は帰ったよ。気がつかなかったか?」

ふーん、と納得しきれていない様子で頷く。

ふと、口元を見るとクリームがついている。

「大和、ついてる。」

顎をとり、くいっと寄せる。

「へっ!?」

ペロッとクリームを舐めとる。
瞬間、大和が口を押さえて、飛び退いた。

…2〜3mは飛び退いたのではないだろうか。

赤い顔して、硬直している大和を見つめ、はて?と頭を傾げる。