ベンチから救急箱を持って走ってくると先輩はまだ水道にいた。 私は救急箱から消毒液を出して、先輩の膝につけた。 「痛っ」 「すいません少し我慢してください。」 私は救急箱の中からカットバンを取り出して膝に貼った。 「よし!もういいですよ。」 「わりぃ…サンキューな。」 先輩はそういって照れたように笑った。 「いいえ。」 私も笑い返して、立ち上がろうとすると、腕を捕まれた。 「え…?」 「ここ……。」 先輩は私の腕を見ながらそう呟いた。