この浮遊感は、一体何なんだ?
・・・俺は、死んだのか?
俺は急に喉元を押さえ込み体勢を崩した
ああ、またか?
・・・・・・・姫
パン、パン
乾いた音と共に薄らと目を覚ました俺は、急な怠惰感と頬の強烈な痛みにより覚醒したのであった
「起きたか」
目の前には己と同じ忍の装飾に以前目にした頭巾は外され、黄金色に輝く長い髪の毛を滴らせながら、菖蒲色(あやめいろ)の瞳を宮火へと向けていた
・・・女だったのか
「助けてくれてありがとう。だが、何故俺を助けた?」
「元はと言えばあの連中は私の方の件だ。後からとんでもない奴が来たがな」
とんでもない奴・・滝沢、あいつか
俺は立ち上がり川に落とされ水気を吸った服の箇所を絞り多少は軽くなったが、雨も続いてるし大して変わらないかと思い次には武器の確認をし始めた
「何処に行く。まさか追うつもりか?」
「相手の目的地は分かってるからその件はいい。それよりも先に行かなければいけない所がある」
「一緒にいた者でもいるのね。なら私も共に行く」
宮火は己と同じく無表情の女忍の心情などこれっぽっちも分からないが、彼の瞳と彼女の菖蒲色の瞳が合わさった。そして一瞬だけ強く光った瞳に吸い込まれるような感覚を覚え、思わず目を伏せた
「・・・なら道案内を頼む」
「こっちよ」
そして雨が降るなか、二人は駆け出していった

