迷姫−戦国時代




その言葉を最後に二人の間で刃物が擦れ合い、激しく火花が飛ぶ





二人は先程の場所から離れいつの間にか川岸まで闘っていた






「ほう、少しはやるようになったな」

滝沢は真上から向けられるクナイを刀で薙ぎ倒し、その隙に宮火の胸元へと狙う。宮火はそれを初めから読んでいたように反対側に持っていたクナイで刀を受け止め、右に持つクナイで相手の急所へと狙いを定めて振り落とした





「・・っ、」

滝沢の唸る声とは裏腹に、宮火が刺した所は急所ではなく、滝沢の左腕だった。滝沢は左腕を犠牲にし、己の命を守ったのであった。滝沢はクナイが刺されたまま、宮火の右手首を掴み動きを封じれば、右足で宮火の鳩尾へと蹴り飛ばした



「クッ・・、ゴホ、ゴホッ」

木に飛ばされ背中を強打した宮火は呼吸が困難に陥り、噎せかえした。また、先程の衝撃により肋骨が折れてるかもしれなかった。その様子に気付いた滝沢は、好機だとばかりに宮火の首を絞めながら口を開いた


「どうせ最後になるだろうしな、よく聞け小僧。俺は主からの命で娘を捜している。そして何故俺が此処にいるかはな・・・、お前等は売られたんだよ。しかも数時間前に知り合ったばかりの他人にな!」


「!!」

まさか先程出てった二人は、この為なのか!?






「馬鹿らしい。地位が戻ると聞いた奴等は、こうも簡単に騙され、俺なんかに情報を渡すとはな」




小雨でも体温を次第に奪っていくなか、滝沢はそう吐き捨てれば首を持った腕を大きく振り上げ、川の流れが強い方へと宮火の身体を投げつけた


気付いた時にはすでに遅し。動けない宮火の身体は冷たい、強く流れる中へと流されていった