迷姫−戦国時代

地面に雨粒が叩き付けられる度に泥が跳ね返る程の大雨。その中で恨めしそうに眺めている一人の少女がいた




「雨は・・・・・嫌い」
























「間に合ってよかったわ。そして一晩置いていただき助かりました、ありがとうございます」


今二人がいる場所はとある家の居間にいた。美羽は振り返り、丁寧に礼を述べれば


「気になさんな。この時期は雨がよく降るから、旅回りの方々も此処を訪ねるのは少なくないのさ」

年端は四十歳ぐらいの男はこの家の主らしく、美羽達を快く受け入れてくれた人物だ





「ただいまー。あらお客さんが来てたのね、いらっしゃい」

声のした方へ振り向けばそこには蓬色の着物姿に焦げ茶の髪を横に結い上げた二十代と見られる綺麗な女性がいた


不意に女性は美羽の方へ振り向けば自然と女性と目が合いどきりとした。だがそれも直ぐに反らされて美羽と反対側にいる宮火へと向けられた




「八重、おかえりなさい。こちらは旅回りの途中でこの雨によって一晩泊まる事になされた宮殿と由利殿だよ。それと、雨の様子はどうなんだい?」

「・・・!ええそうね、大分よ「大変だい!」


急に八重の言葉を遮って聞こえてきた声に男は「すまない」と言い立ち上がれば玄関の方へ向かっていった









暫くすれば男は申し訳なさそうな顔をして戻ってきた


「・・・すまないが急用が出来て此処を離れなければならない。八重や旅人さん方には悪いが留守を頼みたいんよ」



「でも・・・、・・・分かったわ。気を付けてね」

八重は暫く黙っていたが承諾し二人もそれに賛同した