それから、伝書鳩が彼等の元に届くのはそれほど掛からなかった
「御神木に異変が?」
「ああ。先週の満月日に急に起きたそうだ」
美羽は朝波の言葉に悩ましげに眉を下げるのであった
「・・・やはり先週の満月にですか。実は私の方にも変化があり、あれから皇朱様との連絡が途絶えてしまったの」
朝波から文を受けとり一通り眺めた宮火は二人へと視線を移した
「我々には情報が足りない。それに文ではなく己の目で偵察に行った方がいいかと」
「いいや、その必要はないよ。国には俺が行くつもりだしさ」
驚く二人を他所に朝波は指を三本立てた
「ちゃんとした理由はあるよ?まずは現在地に行くのに俺の方が最短路を知ってる。二つ目は文を送ってくれる人が心配だから。最後は・・・もしもの事があれば逃げきるのに策があるからね」
「それほど、千紫は危うくなったのですね」
「頭が切れる者か・・・」
押し黙ってしまった二人に朝波は笑顔を作り左右の手をそれぞれの頭に乗せた
「大丈夫、必ず返ってくるからな」
「・・・何時に発つのですか?」
「二人が良ければ今からにでも」
「そう・・・」
何時もはそこまで不安そうにしない美羽が今日は何処か違うな、と朝波は感じた
「宮火、頼んだよ」
「はい・・・」
よし、と言った朝波は二人の頭を撫で回し、その光景に目を細めたのであった
「何かあれば鳩を飛ばして連絡してくれ。じゃあ、行ってくるよ」
「しっかり守ります」
「道中気をつけて下さいね」
「ああ」
笑顔を残して走り去っていく朝波に二人はただただ眺めていた
この頃三人はまだ知らなかった
三人で揃う事が当分先であると・・・

