迷姫−戦国時代

襖を開ければ狛津は手を止め美羽の姿を見るや否や口元を緩ましたのだった


「目覚めたんだな。もう大丈夫なのか?」


「心配かけてしまいすみません。この通り大事に至りませんでした。夕餉を持って参りました」


近くの机に置いてくれと言われ置くと狛津の作業に思わず足が止まったのであった


弦を鋭く何度も調整する顔は正しく職人の顔をしており、その顔は何処か嬉しそうであった


「・・・っふ、くくっ!
ハハハハ!!」


突然吹き出した狛津に美羽は呆気にとられていた


「あー、悪いな。つい・・・」

「つい?」

「や、由利がこっちを見てる顔があまりにも面白くてな。別嬪が台無し、ってか無邪気とゆうか・・くくっ」

狛津の言葉に内心ショックを受けるが彼の笑顔に思わずこちらもつられて笑顔になった








「では私は戻ります。頑張ってくださいね」

襖を開けようとしたら狛津に呼び止められた

「明日は、俺にとって新たに生まれ変わる特別な日になるんだ。明日、絶対に三人共見に来てくれよな」

「はい!」


満悦の笑みで返事をした後に美羽は部屋を出ていき居間へと向かったのであった





















「遅くなってごめんなさい」

「いや、大丈夫だ」

居間に戻ると二人は座っておりどうやら美羽を待っていたようだ




「さてと、聞かなくちゃいけないことは・・・分かってるだろ、由利?

あの時、何があったんだい?」


その場には朝波の声だけが響きわたったのであった