美羽の言葉にまるで鈍器で殴られた様なとてつもない衝撃を受けた
それと同時に彼の昔、胸の奥底に潜んでいた想いが徐々に滲み溢れてくる。素早く顔に手をあてるが、その鈍色の瞳に光が宿ったのを美羽は見逃さなかった
「・・・っ菫、今度こそ俺はお前との約束を守るよ。もう逃げたりしねえ。俺はお前の愛した琵琶を弾き続ける・・・必ずな」
手で顔を隠しながら墓石の前に立ち愛しそうに撫でると、今度は隠していた手を退け美羽の方へと向いた。美羽に向けた顔は叱られ吹っ切れたのか、彼本来の清々しい笑顔であった
「あんただけだよ・・・。俺をこうまで叱ってくれたのはさ。
・・・ありがとう、由利」
「帰りましょう狛津さん。皆さんが待っております」
「・・・そうだな」
二人はその場から立ち去ろとするが不意に狛津が足を止め美羽に静止をかけた
「手に抱えてるのこっちに渡してくれないか?」と聞き取れるか聞き取れないかの声量で美羽に話し掛ける
美羽はそれを狛津に渡すと狛津は美羽の前に一歩大きく進み出た
「どうやら、招かざる客も来てたようだな・・・。
来な」
狛津の呼び掛けにより木々から無数の影が飛び出してきた
二人の前には顔を覆い隠し全身黒色の装飾をした忍もとい間者
「なんだたったの四人か。
さて俺を殺せるかな?」
狛津は布で巻かれたそれを抜くと相手に向ける
狛津が向けたそれとは・・・
「琵琶・・・?」
「昔この国の神は旅をしてたと聞いた。旅の中で命に危険があるのは少なくなくてな、そこで生み出したんだ。
殺しの技をな」
狛津は琵琶の一部から刀を取りだす
「道を空ける。隙を着いて逃げるんだ」
美羽は頷くと狛津はニヤリと笑い走り出した

