迷姫−戦国時代

美羽は山道を駆けるが道しるべを立ててある筈もなく分からずじまいであった

「ハァ、ハァ。唐突に来てしまったけれどもやはり宮火と共に来た方がよかったのかしら・・・」


物を抱えるている手を力強くすると目を閉じ辺りの音の行方を耳で探る


聞こえてきたのは風により小刻みに動く葉の音、鳥のさえずり、川の流れの音、そして遠くからでも分かる町から伝わってくる琵琶の音色・・・


――――こちらだよ。千紫の若き姫君・・・


柔らかな優しい男性の声が耳に伝わり突然の事に目を見開く

しかし目の前には誰も居ず人の気配さえしない状況に美羽は首を傾げる


「今の声は・・・?
でもこの感じ、似てるわ」

皇朱様に・・・
不意に風が吹き美羽を髪に触れる。まるで導いてるような気がして美羽は風の吹く方角へと足を早めた



道が通れない時に足を止めると何処からか緩やかな風が吹き美羽を導く。それを何度か繰り返していると木々から光が射し込む方へと向かった






木々をかき分け着いた先には・・・

そして美羽が見た先には・・・


枇杷の国が一面と見え、そこに腰を掛けている―――




「(狛津さん)」