迷姫−戦国時代

暫くし硲は狛津の様子が気になり彼の家の前に姿を現した




狛津の家は静寂し家中が重苦しい空気に硲は家へ入る足を早めた






僅かながら人の気配がする部屋に向かい緊迫した思いで襖を開けた



刹那、そこで目にしたのは・・・





「狛津か・・・?」




灯がなく薄暗い部屋の中僅かに感じる弟子の存在に気づいた硲は忙しいで灯を付ける。それにより部屋は明るくなり硲は初めて、事の実態に息を飲んだ




血が充満している部屋の中央に丁寧に寝かされている菫と部屋の壁側にもたれ掛かり放心状態である我が子同然の弟子の狛津の姿を


そして何より硲が驚いたのは狛津の身体全体に真新しいと思われる血が付着している事だった



硲は忙しいで狛津に駆け寄ると狛津の肩を強く揺さぶった


「狛津、儂じゃ。何ようでこうなったのじゃ」




暫くし虚ろな目で狛津は硲を見つめるとあまりの眼力に硲は思わず肩が揺れた








「・・・ハハハ、殺してやった。殺してやったよ師匠。敵を取ったのさ」


まるで壊れた様な話し方をする狛津に硲は黙って聴き続けた





「俺、帰ったら菫に言いたい事、沢山あった・・・」



祭が無事に終わり、その後に夫婦にならないかとな・・・




そう狛津の心の声が聴こえた様な気がした硲は思わず目を瞑る

彼女を死に至らせたのは誰でもない狛津の師である自分達であったからであった為に



菫が間者だと知っていた三人が数日前から彼女が自尽すると知っていた

そして四人で話し合った結末が今に至る


だが彼女の死により狛津がこれ程まで酷い状況に陥ったのは予想外であった

それ程まで狛津はこの娘に・・・




師匠・・・と弱々しく呟いた狛津に我を取り戻し耳を貸す


「・・・今は、一人にしてください」


硲は今のお前は危険過ぎ一人にしてなどおけないと言うが狛津は頑なに拒むと彼は仕方く部屋を後にしたのだった












「・・・」