迷姫−戦国時代

祭は無事に終え俺は宴を早々に切り上げ家に帰ることにした


「師匠、悪いですが先に帰らせてもらいます」

硲師匠にそう告げ俺は祭を後にした




今回の祭は成功し俺は晴れて国一番の琵琶師と認められた

擦れ違う人々に祝いの言葉をされそれが嬉しいと同時に家に帰っているあいつの顔が見たく、ついつい足の動きが早くなる




俺は家に着いたら菫に伝えることが沢山ある





そして漸く家に着き胸を躍かせる思いで玄関の戸を開いた



「ただいま」

可笑しい・・・
いつもなら笑顔で菫が出迎えてくれる筈なのに今日はいないなんて。それにこの静けさは一体何なんだ。まるで人が居ない様な


そして俺は不意に何かを思ってか部屋のあちらこちら歩き回った


何処も居ない

そして最後に着いた場所は菫の部屋の前。俺は考えも無しに乱暴に襖を開けた


そして目の前に広がるのは・・・











部屋の隅々まで真っ赤な血が流れ横倒れている菫の姿だった