迷姫−戦国時代

そして私は紙包みを開き湯飲みの中に入れる。これは国を発つさえにお師匠様から頂いた砒素と呼ばれる毒薬。これを相手に投与するか懐刀で殺せと申せられた今では必要のないこれらを眺める


そして私は躊躇せずその一つである湯飲みを口に含む

「・・・っゴホゴホ」

身体中が異様な感覚に陥り身体が奮え麻痺している。少なからず毒に免疫のある私はそれだけでは死なないため奮えた手で懐刀を抜く


任務に失敗した私に付けられる称号は裏切り者と死罪だけ。例え逃げても私は必ず足を付かれ殺される。ましてや此処に居座れば狛津さんに害があるのは百も承知であり結局残されたのは死だけ。どうせ殺されるならば自害する方が余程まし

それにこれはとあるお方と決めた事。私の意思に揺るぎなど無いからです

お師匠様申し訳ありません
ああどうか、

果たせなかった私を

お許し下さい

私は・・・、

狛津さんを愛してしまったのです。例えこの身が滅びる事になろうとも私は貴方様を危めるなど無理なのです


私は邪魔な存在。決して生きてはいけない。そして懐刀の刃先を脇に持って行く





ッゴホ・・・!



口から血が吹き出て脇からは着物から血をじんわりと滲み出す

身体の痺れにより握っていた懐刀が畳の上にと落ちた


ハァハァ・・・と肩で息をする中、視界が霞んでいく事により命の灯が少なくなっていく裏腹に私は口元に孤を描く


もうすぐで私は死ねる
やっと死ねる

・・・そう思ったのもつかの間、視界が霞んでいるが目の前に一人の人物が現れたのでした