身動きがとれない状況で私は素早くその訳を確信しました
身体に薄いが頑丈そうな紐・・・基琵琶に使われる弦が巻き付いていたのです
それを器用に使いこなせるのは此国の者だけ、つまりは・・・
「っ菫(すみれ)!!」
今度は恐る恐る後ろを振り返るとそこには・・・、恐らく私よりも倍の早さで走って来たのであろう。息を切らせながらも右手には私を縛っているだろう弦が握られしっかりと私を見ている狛津さんの姿でした
「こま・・つ、さん。何故此処に」
私は動くにも身動きがとれない状況であり狛津さんはもの凄い早さで私との距離を縮めていく
とうとう目の前にまで来た狛津さんに私は反射で目を瞑る
しかし、
そこには強く、暖かい温もりと彼の髪が私に掛かっているのだと気づいたのです
「何故逃げるんだ?訳を話してくれ。
・・・・・お前も、目の前から消えないでくれよ・・・。
じゃないともう、可笑しくなる」
耳元で呟く狛津さんと私の現在の状況は、狛津さんに抱擁をされている。その意外な状況に目を見開くけど普段よりもか細く尚且つ弱々しいその声に思わず弦から解かれていた両腕を彼の背中までもっていってしまう
そこで私は分かってしまったのでした
その答えにより今まで心苦しかったのが晴れた様に感じました
何で気づかなかったのか
彼の命を狙う為にこの国に来た間者である私
間者である私は・・・
私は、
私は・・・
狛津さんを愛してしまったのです

