迷姫−戦国時代

「は・・・い」


私の返答に目を見開く硲様と何故そう言ってしまったのか己でも分からなかった

けど確かに私は了承してしまったのです


「私が、彼の様な方を討つには難がありますでしょうに。結局は己の命が恋しいようでございます。それに・・・」

そこで私は話しを裏付けるように誠か否か分からない言葉を次々に告げました



「娘さん、おぬしは・・・、」

私の顔色を伺った後、話しを途中で止めてしまった硲様は信じられないという顔をされ懐から小さな箱を私の前に置きました





「・・・道中金銭面で困った事があればこれを売るのじゃ」




そう私に告げると硲様はお帰りになりました








その後私は手短に荷造りをし、狛津さんが帰って来る前に出て行こうと考えました

そこで狛津さんに貰った琵琶を持っていくかどうか最後まで悩んだが結局持って行こうと思い荷物と琵琶に手に玄関を去り道へ歩こうとしました







「―――、何処に行くんだ?」

聞き慣れた声が私の名前を呼び思わず足を止めてしまう


私は振り向かず後ろにいるだろう方に口を開く

「狛津さん、此国に来て身を寄せる所がなかった私を家に置いて下さいまして・・・ありがとうございます。
急な言伝を聞き、一度国に帰る事にします。

身勝手な私を許して下さい。・・・・・っさようなら」


(貴方様とはもう二度と会うことはないでしょう)


私はこの間々長居していると決心が鈍るのではないかと焦りその間々狛津さんの掛け声を聞かずに一心不乱に駆け出しました




その間々駆け出しもうすぐで町の外れに差し掛かろうとした時でした

「っ!?」

刹那、私は身動きがとれない状況に陥っていたのです