迷姫−戦国時代



六凪の演奏が終わり気づけば先程とは一変し草木が力強く生い茂っていた


「見事じゃ」

屈託の無い笑顔を向ける皇朱に昔と変わらぬ姿に目を細める

「その癖、あの頃と全く変わってないな」





「貴殿は接する者によって口癖がよく変わる」





「そうかもしれぬ。

そういえば此度はやけに琵琶の音がするけど祭が近いのか?」


「ああ、五年に一度行われる伝承さ。此度は無事出来るか定かだ・・・」

「確か代々そなた達が一人を選びその者に伝承するのだが、何かあったのか?」


「人は難しい、感情で左右され流されていく。一度屈すると立ち直るのが容易ではないからな。それは昔から変わらぬ事、故に」

六凪の唐突に呟いた言葉に眉をしかめる

つまり彼が言いたい事を整理すると伝承するはずの人間が何らか問題が起こり祭が出来るか定かであるのだ。それなら変わりの人間にすれば良いと思うが六凪の事だ、容易に伝承を人間を替える様な男ではない。一度決めれば最期までその一人の人間に執着するだろう

面倒な男だが私は嫌いでは無い



「此国の当主にはどう伝えてるのだ?」

「あの者も某の考えと同じであの者を推参している。・・・なんせ第二の六凪と某が認めた男だからな」


「大層力の入れ様だが、どう対応するのかしらね」





「今宵某が夢枕に出るとしよう。良い方に転べばいいのだがな」


一人を執着するにもそこまでする姿に変わらないなとほくそ笑んだ