「それでは行ってきますわ、お母様」 「今度こそ、王子様に気に入られるように なりなさい」 「勿論ですわ」 「・・・・行ってらっしゃいませ」 見送りをするシンデレラに、アリシャスはクスクスと笑う。 「アンタは舞踏会にも招かれない子だものね。 可哀想なこと」 シンデレラは、唇を噛み締めた。 「せいぜいお城を眺めて、羨んどければいいのよ」 最後にそう言い捨てて、彼女は行ってしまった。