「ガイル」 そう言うと、彼は静かに 部屋に入って来る。 「お休みにならなくて、よろしいのですか」 「僕の事など、気にするな」 そっ と、眠った彼女の頬に触れる。 魘されていた、穢れなき少女。 乱れながらも、必死に息をしていた。 そして 汗ばんでいる、彼女の額。 「・・・・・早く、彼を見つけなければ」 自分がこれ以上、この少女に想いを寄せないためと、 一刻でも早く、 彼女が恐れる その夢から解放させるために。