ガチャリ、と扉が静かに開かれる。
その音に、無意識にシンデレラは体を起こす。


「おや、まだ起きるにはずいぶんと早い時間ですよ」


彼はシンデレラの前まで歩み寄り、そして彼女と同じ目線に合わせる。


目の前にいる王子様は とても優しそうな雰囲気を出していた。


けれど、

「・・・・・・・・家に、帰ります」


その雰囲気は偽りなのだと 彼女は分かり切っていた。